1型糖尿病にもいろいろ

1型糖尿病は主に小児期にかかる病気で10万人に2人程度の割合で発症します

最近は大人でも発症することが増えてきました

血糖値を下げる働きをするインスリンというホルモンが出なくなるため、生涯インスリン注射が必要となります

1型糖尿病の中にも病型があって、①急性発症1型糖尿病(一番多いタイプ、主に小児期)、②緩徐進行1型糖尿病(ゆっくりとインスリンが出なくなるタイプ)、③劇症1型糖尿病(1週間程度でインスリンが枯渇するタイプ)の3種類あります

①は主に子供に発症し、膵臓に対する自己抗体が陽性になることが多いです

小さなときからインスリン注射をするので大変ですね

②は30代くらいから増えてきます

自己抗体が陽性だけど自分のインスリン分泌は残っていて、それが少しずつ出なくなっていきます

最初は飲み薬で治療することもできますが、インスリンが出る期間を長くするために早めにインスリン注射をすることが勧められています

③は1週間くらいで急にインスリン分泌が枯渇するため、ほとんどの場合ケトーシスあるいはケトアシドーシスといって意識障害、吐き気、倦怠感で救急搬送されることが多いです

膵臓の中にあるアルファ細胞(血糖値を上げるホルモンを出す細胞)も破壊されるため、低血糖と高血糖を繰り返し、安定しないことが多いです。他の1型糖尿病に比べて合併症が早くに起こりやすいのも特徴です


治療

インスリンが出なくなるため、インスリンで注射します

インスリンにはごはん分の血糖値を下げるための超速効型、速効型があり、ごはんの前に注射します

長く1日中効くインスリンを1日に1回あるいは2回打って全体的な血糖を下げます

今はCSII(Continuous Subcutaneous Insulin Infusion)といって、毎回注射針で注射しなくていいタイプのインスリンポンプがあり、便利になってきています。


血糖値の目標

糖尿病の検査で一番有名なのはHbA1cですね。これは、1-2か月前の血糖値の平均を表す数値で、合併症を起こさないようにするにはHbA1c7%未満が推奨されています

これに対応する血糖値は、食前血糖130mg/dl未満、食後血糖180mg/dl未満です、参考にしてください

ただし子供の場合はまた別です

アメリカ糖尿病学会は2014年6月にガイドラインを改訂し、HbA1c<7.5%としました。それまでは緩めのコントロールでいいと言われていたのです。しかし国際小児思春期糖尿病学会は以前からHbA1c<7.5%を推奨しています。個人差が大きいですが、できればなるべく良いコントロールにすることが大切です


気になる合併症

発症してすぐ起こる可能性のある合併症として、高血糖によるケトーシス、ケトアシドーシス、低血糖による意識障害などがあります

これらは急性合併症と呼ばれます

体の中のインスリンが足りない状態、つまりインスリンを打ち忘れたり量ぷが足りなかったりすることによる高血糖が続くと、ケトン体という物質が体内に溜まってきます。ケトン対が溜まっている状態をケトーシスといい、吐き気や倦怠感が生じます

血糖値を下げるため、ケトン体を減らすためにインスリンを打って治療します

このケトン体は酸性物質なので、溜まりすぎると血液が酸性に傾きます

これが糖尿病性ケトアシドーシスといって、意識障害をも起こし、場合によっては命に関わることがあります

おかしいと感じたらすぐに医療機関を受診しましょう


慢性合併症には、細小血管障害といって3つ代表的なものがあります

①末梢神経障害

②網膜症

③腎症

血糖コントロール不良な状態が長く続くと、①→②→③の順に起こることが多いです

でも、個人差が大きいので予測は難しく、予防のためになるべく血糖をよくして、特に網膜症は眼科受診で、腎症は主治医に定期的にチェックしてもらいましょう

血糖値が高いとい動脈硬化が進むので、大血管障害になることもよくあります

心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など、全身の血管に影響します

これらはもちろん血圧や脂質(コレステロールや中性脂肪)も関係が深いので意識しましょう